教育研究者総覧

吉原 直彦
造形デザイン学科
教授
Last Updated :2019/05/20

基本情報

学歴

  • 1978.03, 東京教育大学教育学部芸術学科構成専攻
  • 1988.03, 岡山大学教育学研究科美術専攻(修)

学位

  • 1988.03, 修士, 教育学, 岡山大学, 視覚伝達デザインにおけるレトリック研究 – 新聞広告のレトリック分析を通じて

職歴

  • 1988.04, 1993.03, 京都精華大学美術学部デザイン学科, 専任講師
  • 1993.04, 2002.10, 岡山県立大学デザイン学部, 助教授

研究者基本情報

専門分野

  • グラフィックデザイン、デザイン論

研究の概要

  • 視覚構成における志向性と身体性の研究, 個展『Innocent Verticality』(2000)以来取り組んできた作品提示に関わる身体性の諸問題は, 単著『造形デザインのための注意のスイッチ – 観察・思考・創案に向けて』(昭和堂, 2008.12)において, 視覚偏重社会における透明化の問題として, まとめられた. この解決策として2009年度以降ハプティック(触知的)問題に注目し, 「光のウエア」の制作・展示などを通じて視覚の触知的コミュニケーション提案を実施した. 2011年度からは『造形デザインのための注意のスイッチ – 観察・思考・創案に向けて』で扱うテーマの一つである身体文化論の視点から, 日本の伝統美術工芸における心像の役割がデザイン文化における志向性といかに関わるかについて, 論考を開始し, 試論『多重幻影化時代のデザイン – 芸術家のファントム空間 試論1 -』(2012.3発行)を執筆した. また2013年度は新規開講科目「日本デザイン論」の教材研究の第一段階を終え, 教科書出版を目標に論考を発展させるため, 家紋を題材に約25種類ある造形操作について,【2】のビジュアルリテラシーの視点を合流させた小論『沢潟問題ー家紋技法のリテラシー』(2014.3発行)を執筆した. 作品制作については, これと並行して2013年度に日本のデザインをテーマにしたポスターの制作発表を実施した. 2014年度においては, 小論『続沢潟問題ーリテラシーのためのコンピテンシー』(2015.3発行)を執筆した. 作品制作についても, 2013年度〜2015年度と同テーマにてポスタ−制作, 発表を行った.
  • ビジュアルリテラシーの研究, 単著『造形デザインのための注意のスイッチ – 観察・思考・創案に向けて』におけるテーマの一つである視覚構成物の読解(ディスクール分析など)を拡張し, 教養教育における視覚の読み書き能力養成に必要な要件を求め, 教養教育改革の一助とすべく計画している. 2013年度の研究では【1】とリンクさせ, 前述の小論執筆に繋げたが, そこで造形操作の活用に関する要件追究について手がかりが得られたため, 2014年度も継続研究を行い, 前述の小論を執筆,研究誌に掲載した.2015年度の研究では,C.S.パースの類像解釈過程(イコン-ダイアグラム-メタファ)に基づき海外広告のユーモアについて「ズレと着地」の視点から分析し,【3】の日本記号学会における口頭発表にてその解釈過程を明らかにした.これにより,教養教育において視覚をはじめとする読みと文脈理解の経験の蓄積がいかに重要であるかが判明した.
  • グラフィックデザイン表現がもたらすズレの笑いの要件, 2014年度をもって文科省GP事業が一つの区切りを迎えたため, 2014年度途中から【2】のビジュアルリテラシー研究から派生したテーマ「デザインの笑い」研究に共同研究にて着手した. 笑いには「優越理論」「放出理論」などがあるが, 発想に関する視点を提供する「ズレ理論」(アンリ・ベルクソンら)に注目し, 画像と心像の差異がもたらすズレについて, 作品分析を行うとともに, 複数名の学生による実験制作から前述のズレにおける距離感やメッセージの着地のあり方を求め, 研究誌に共同執筆した.2015年度は本学の独創的研究助成費研究の一環として,前年度までの成果について,日本記号学会にて【2】で述べた類像解釈過程に笑いにおけるベルクソンの「ズレ理論」を接続し,学生による実験制作品を分類し,その効果について口頭発表した(「盆トレ問題―デザインの笑いにおけるズレと着地―」).そこでは視覚の笑いにおけるテクスト-プレテクストや字義-喩義の多様な関係性について認めるとともに,視覚的な類似性-非類似性のコントロールが視覚の笑いの効果に影響を与えることを併せ認めた.独創的研究助成費研究のまとめとして,「気づきのユーモアを対象にしたビジュアルリテラシーの研究(3)」を2016年度OPUフォーラムにてポスター発表した.
  • ブランディングに関する教育研究, 日本デザイン論,造形デザイン論,及びビジュアルデザイン学演習に関わるなかで,日本(あるいは地域)の伝統をモディファイして新たな伝統を築きつつ,ブランド化を図ることにより,社会的認知の継続・発展にいかに寄与すべきか,について方法論の構築を新たな目標に置いている.そのため,デザインにおけるプロジェクトマネジメントのあり方について,研究の緒についている.


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